遺産(相続財産)分割協議書
遺言(遺言書)がない場合は、民法に定められた法定相続人が、法定相続分で遺産(相続財産)を相続することになります。
遺産(相続財産)は、相続人が複数の場合、相続開始時点で相続人全員が法定相続分の割合で共有する共有の財産となります。
遺産(相続財産)が、全て現金のように法定相続割合で容易に分割できるものであれば分割はわりと容易に行えますが、不動産(土地・建物)のように法定割合で分割することが物理的に難しいものもあります(法律上は共有持分で所有することは可能です)。
そこで、相続人全員で話合いをおこない、例えば、『自宅不動産(土地・建物)を相続するのは「相続人A」、賃貸用不動産を相続するのは「相続人B」、不動産を相続しない「相続人C」は現金と預金とする』などのように、遺産(相続財産)の具体的な相続分を話合いで決めることがあります。
この遺産(相続財産)を分割する話合いを遺産(相続財産)分割協議といいます。
また、この協議に基づいて遺産(相続財産)を、誰にどのように分けるかを具体的に記載した書面を「遺産(相続財産)分割協議書」といいます。
協議による遺産(相続財産)分割は、相続人全員が合意することで成立しますが、必ずしも協議の内容を書面にしなければならないものではありません。
しかし、一般的には次のような理由で分割協議の成立を証明する資料として遺産(相続財産)分割協議書を作成します。
①後日の紛争を避けるため
②銀行預金の払戻し、名義変更のため
③相続登記の申請の際の添付書類のため
④相続税申告の際の必要書類ため。
もし、相続人同士でモメてしまって遺産(相続財産)分割協議ができない場合は、家庭裁判所に申し立てをして遺産(相続財産)分割を進めていく調停分割と審判分割という方法もあります。